樹脂製オーバーフェンダーの修理 1
我が家のローバーミニはタイヤが12インチで、オーバーフェンダーが付いています
(下はタイヤを外したときの画像です、今回の作業では外しません)
このオーバーフェンダーは樹脂製で、ネジで固定する部分が一部掛けていました
欠けている部分のネジにはワッシャーがはめてあり、見ためが不細工
ミニのオーバーフェンダーの材質には、金属製・カーボン・FRP・ABSなどがあります
前者3つは見て判断できそうですが、ABSなどの樹脂については特定が難しい
うちのはABSと思い、オーバーフェンダーの欠けた部分の修理方法を調べました
ネットで見つかった方法は2つ
1つは有機溶剤のアセトンを使った方法、もう1つはアクリル用接着剤を使った方法
アセトンを使ってオーバーフェンダーを修復する方法
ABSはアセトンに溶ける性質があるため、これを利用した方法です
欠けた部品同士をつけるのであれば、接着剤の代わりにアセトンを使います
接着する面にアセトンを筆などで塗ってから接着するのです
部品の一部が欠けてその破片がない場合には、アセトンに溶かしたABSをパテ替わりに使って破損した部分を埋めます
溶かすためのABSは新たに用意が必要です
溶かすためには容器が必要で、容器は何でもいいわけではありません
ホームセンターに売っている金属製の缶が一番手頃でしょう
難しいのはアセトンを手に入れることで、ホームセンターでは一般的に売られていないようでした
探した限りではどこのホームセンターにも置いていませんでした
アセトンが手に入ったのであれば、容器にアセトン少量とABS製の物を入れてしばらく置いておきます
柔らかくなったABSをオーバーフェンダーの掛けた部分に塗りつけて接着します
最後にヤスリ掛けをして形を整えます
この方法のキーポイントは、オーバーフェンダーの材質がABSであると特定できることです
実はうちのオーバーフェンダーは、なんとかアセトンを入手して使おうとしたところ解けませんでした
つまりABS製ではなかった、このため実演できませんでした
アクリル用接着剤を使った方法
アセトンと違い、多くのホームセンターで売っているのがアクリル樹脂専用の接着剤
下の画像の物が一般的だと思います、アクリルサンデー社の製品
これにはスポイトと細い針がついていて、接着する物同士の隙間に接着剤を流し込みます
難点はスポイトから接着剤が出やすいことで、接着する部分以外に付くとその部分が溶けてしまいます
まずはオーバーフェンダーと破片を用意する
上の画像では塗装面が手前に見えるようにしていますが、実際には裏側から接着剤を垂らします
オーバーフェンダーと破片を指で固定し、すき間に接着剤を流し込みます
すぐに接着して、乾燥も早い
この接着剤はアクリル樹脂用ですが、素材不明の樹脂製オーバーフェンダーにも接着できそうです
この方法の欠点は「破片がないとできない」というところ
揮発性が高い接着剤なので「接着剤を容器に入れて樹脂を溶かしてパテのように使う」ということができません
また強度の面で不安が残ります
上の画像ではオーバーフェンダーを車体に固定するボルト用の穴の周りの部分、
ここには接着した破片に力が加わります
こういう部分には向いていません
フィラメントを使ってオーバーフェンダーを修復する方法
フィラメントとは積層タイプの3Dプリンターで使う素材です
フィラメントにはいろいろな材質があります
今回、まだうちのミニのオーバーフェンダーがABS樹脂ではないことを知らなかったときに、
ABS製フィラメントを使ってオーバーフェンダーを修復することを思いつきました
用意するのはABS製フィラメントと半田ゴテ
半田ごては温度が調節できるものが必要で、ABSは290度以上で溶けます
はんだ付けをするのと同じ要領で、フィラメントをオーバーフェンダーの修復する部分に当て、そこを半田ゴテで溶かして付けます
オーバーフェンダーとフィラメントの両方を溶かして融合します
今回融合はしたのですが、実はオーバーフェンダーがABS製ではなかったために
違う材質の物同士を融合したことになって接着が少し弱い気がしました
そこでさらにアクリル樹脂専用接着剤を垂らしました
この接着剤がフィラメントに染み込んだ影響なのか、フィラメント部分は柔らかくなりました
そして数日後には硬くなりました
この方法の欠点は、多くのフィラメントが柔らかいこと
製品になっている樹脂製の物の多くには、強度を上げるための物質が入っています
このせいで完成した後の樹脂製品を半田ごてで熱で溶かすと材質が変化してしまい、
元の硬さに戻らずに柔らかいままとなることがあります
積層用3Dプリンタ用フィラメントにはこのような物質が入っていないため、市販の樹脂製品と比べて柔らかいのです
3Dプリンタ用フィラメントを使うのは力が加わらない部分にだけでしょう
フィラメントの代わりに市販の樹脂製品を溶かして使う方法もあります
この樹脂製品が半田ごてで溶かした後に再び強く固まる材質であることが大事です
これまでにミニに使った費用
合計金額 | 1,859,794円 |
コメントを残す